ひよことおさんぽにでかけよう!

ルキ=私  ルウ=4歳の娘  チャーリー=旦那様  楽しく子育て奮闘中!

プールで迷子

夏、といえばプール!
今年も何回か行ってまいりました。

3歳まで異常なほど水を怖がっていたルウも、去年からはプール大好きになり、浮き輪をつけてプカプカ、バシャバシャと楽しく遊んでいます。

さて先日、遊園地の中にあるプールに行った時のこと。
お盆だったので、結構混雑していまして、プールサイドに立てるテントの場所を探すのにも苦労するくらいの賑わいでした。

流れるプールや波のプールの他に、小さな子が水遊びできる浅い水場があって、水にはカラフルなソフトボールがたくさん浮かべてあったり、噴水が出ていたりする場所があります。
子どもはみんな、噴水目掛けてボールを投げたり、自分の浮き輪の中にボールを集めたりして遊んでいます。

早速ルウもボールを集め始めました。
私とチャーリーは、それを見ながら水の中に座り、お喋りしたり水を掛け合ったりしていました。
大人がゴロリと横になると、ちょうど体の下側だけが水に浸かり、程よく波に揺れて気持ちが良いのでした。

ふと見るとルウがいません。
さっきまで噴水の近くでボールを集めていたのに。
焦って立ち上がる私とチャーリー。
たくさんの子どもたちを1人1人見るけれど、どこにもルウがいない!
水に潜った小さなお尻のひとつひとつにも目を凝らす。やっぱりいない!

ルウは私たちを見失って、ボールのプールから離れ、探しに行ったに違いない。

目配せして二手に別れる私とチャーリー。
私は北側の階段上へ。
チャーリーは南側の波のプールの方へ。
臆病なルウの性格から、1人で階段の上に上がって行ったとは考えにくい。
階段の上から波のプールの方を眺める。
ごった返した芋洗い状態の中にルウを探す。
臆病なルウは、絶対に1人で波のプールには入らない。だから溺れる事はあり得ない。自分に言い聞かせる。
プールサイドのテントの陰や、人が固まっているあたりに目を凝らす。
泣き声が聞こえないか耳を澄ます。
何も聞こえない。

暫くすると、ルウを抱っこしたチャーリーが見えた!
遠くから私に気がつくと大きな声で泣き始めた。

どうやらルウは迷子の預かり所にいたらしい。
救助され、名前や年を聞かれて手続きを踏んで、すぐにチャーリーが来たのだろう。少し遅れて、場内アナウンスが流れた。
「迷子のお知らせです。タケダルウちゃん、5歳の保護者様、救助テントまでお越しください」

無事だったことにもホッとしたが、それよりも別の事に感動する私。
知らない人に聞き取れる声で、名前と年齢を言えたんだ。

大泣きするルウを抱っこして、ぎゅーして、クチャクチャと頭を撫でる。

私「ママたちを探しに行ったの?」
ルウ「うん」
私「ママたち、ずっとここにいたのに」
チャーリー「ルウをおいて、パパもママもどっか行くなんて絶対ないんだよ」


あとで、ルウが教えてくれた。

「ママもパパも見えなくなって、呼んだのに、なんで返事してくれなかったの?」

多分、噴水の音や大勢の子どもの声で聞こえなかったんだろう。

「通りかかった男の人に、迷子ですって言ったら、連れて行ってくれて、ここで待っていたらママとパパが迎えに来てくれるよって言われて待っていたの。」

多分、通りかかったんじゃなくて、様子のおかしいルウに、係の人が声を掛けたんだろう。

「タケダルウです。5さいです。って言ったよ。泣いちゃった。」

うん、泣いちゃってもよく言えたね。
係の人の話も良く聞いてたね。
頑張ったね。


いやはや。
何事もなくて良かった。

ご馳走と父

父さんのお誕生日なので、まだ、ここに書いたことのない思い出話で、面白いのがないか、考えていたんだけれど、なかなか思い出せないのよ。

でも思い出がないわけではなくて、いろんな細かい出来事をたくさん思い出したよ。
特筆するような事でもないけれど、その中から食事に関係する思い出を。


お母さんが留守の日曜日に、私が作った焼きそば。
仕上げにソースを回し入れたら「うわっ! そんなに入れたら辛いぞー! 入れすぎだっ‼」とぶっきら棒に怒った癖に、食べはじめたら「いつもと同じ味だねえ…あんなにソース入れるんだねぇ」って感心してたこと。

私が初めて作ったパエリア、失敗しちゃって味の薄いリゾットみたいになったけど「旨いよ」って食べてくれたこと。

働いていた工場で飼っていた犬のリリちゃん。エビフライの尻尾が大好きで、エビフライを食べる度にお土産に持って行ってあげていた。
ある日たまたま晩ご飯にエビフライが並んで、さあ食べようって時にお父さんが「リリちゃん、死んだんだよ」って。
私が大泣きしてご飯が食べられなくなって、お母さんに「今言わなくてもいいじやないの!」って怒られてたなぁ。

ピーマン、タマネギが嫌いで、ケチャップとマヨネーズが大好きで、子どもみたいねって、いつも私とお母さんに言われていたっけ。


今晩、何食べたい?
って聞くと、特に何も思い浮かばない父は、大抵「お刺身」って答えていた。
お刺身、お寿司、大好きだったよね。


さあ、お寿司でも作りましょうか。
今日はチャーリーが遅い帰宅だから、明日にでも。

お父さん、お誕生日おめでとう。

やさしいママ

これから保育園に行くというのに
パジャマを脱いで、10分経っても着替え終わらない
壁に貼ってある絵を見ていたり
足の爪を触っていたり
これから着るTシャツを畳んで遊んでいたり
パンツいっちょでお茶を飲んでいたり
支度し終わったはずのプールバックの中身をいじっていたりして
着替えの途中である事を忘れている。

私は準備をしながら、部屋を覗くたびに「着替えなさい!」「遅刻するよ!」と声を掛ける。
ルウは言われても、どこ吹く風。
なんでかなぁ……


そのうち部屋から歌が聞こえてきた。




こわいママは 大キライ
やさしいママが 大好きよ

ママが こわいと ルウちゃん 泣くよ
やさしい ママだと ルウちゃん 笑う

なのに…ママが
こわい




誰のせいじゃぁぁっ⁉

早くしなさい

と言う言葉が嫌いだ。


「早く食べなさい! 片付かないから」
「早く着替えなさい! 待ってるんだから」
「早く支度しなさい! もう帰るんだから!」
「早く靴を履きなさい! 買い物に行くんだから」
「早く早く! 帰ってご飯作らなきゃいけないんだから」


言いながら、大人の都合じゃんってどこかで思ってる。
もちろん、そうじゃない時だってある。
例えば「ご飯の前に顔を洗ってトイレを済ませなさい」とか「保育園遅刻するよ」とか「雨が降る前に帰ろう」とか「もう寝る時間だよ」とか。
でも本当に早くしなければいけない理由なんて、そんなものだ。


子どもはグズグズノロノロとしている間にも、色々発見したり、経験を積んでいる場合もある。
道草、寄り道は悪い事ではないはずだ。
興味のあるものに積極的に向かって行って、楽しく五感を働かせる事は、必ず知識や大切な経験に繋がるはずだと思う。


それなのに。
ついつい言ってしまう。
早くしなさい! と。
そして一度、遅い!と思うと、いちいち躓きながらあっちにこっちに気を取られて、一向に進まない物事に、益々苛立ってしまう。

嗚呼、そして今日もため息。
私、ガミガミ母ちゃんだわってさ。

本能

会社の前の人通りの多い、道路に面した垣根に、カラスが巣を作って子育てをしているのですよ。
気が立っているものだから、通り掛かりの人が、奇妙な動きをするたびに、カラスが興奮して襲って来るのです。

「カラス注意」の貼り紙でもして、そっとしておいてあげればいいのに…

と思っていると、チャーリーの場合はそうじゃなかった。

もし、ルウやルキが襲われたりしたらたまったもんじゃない!
さっさと市役所に連絡して駆除してもらえ!
こんな所に巣を作るカラスが悪い!
俺たちの方が先にここに住んでるんだ。
人の目に触れる場所に巣を作るようなカラスは淘汰されて当然。
……だって。

まあ、確かに。
ルウが襲われたら私だって黙ってられないもんなぁ。
が、しかし、子育て中だと思うとホロリと情が湧いて、なんだか納得できない私。

それもこれも本能。
男と女の違いですかね?


ちなみにカラスは、背後から回り込んで、目を狙ってくるそうです。
黒いものを攻撃する習性があるんですって。
気をつけましょうね。

堰を切る

平塚のばあばの家に遊びに行った。
大勢の大人がいると、途端におとなしくなって普段通りに振る舞えず、口数も10分の1位になってしまうルウ。

「歌ったり、踊ったり、お喋りしたり、イタズラしたり、怒られたり、いつものルウで良いんだよ。」と言っても、どうしたら良いか分からないみたいで、借りてきた猫状態。

それじゃ本人も疲れるだろうに、なかなか殻を破る事ができない。


それで帰りの電車の中では、タガが外れたように歌いまくり、喋りまくりになってしまった。
のんびりうたた寝しながら、帰ろうとグリーン車に乗ったのに、他のお客さんを巻き込んでの寝られない車輌。
迷惑だから小さな声で!と注意しても二言三言ですぐに声が大きくなる。

同じ車輌に乗り合わせた皆さまに、お披露目した事は……

ママの名前はルキ。自分の名前はルウ。
平塚のばあばの家に行った帰りだという事。
グリーン電車は、おやつが食べられるし、普通の椅子と違うから好きだという事。
ジャンケンはそこそこ強いが、あっち向いてホイは、へたっぴだという事。
フランスパンのフレンチトーストにシロップが掛かってるのが大好きだと言う事。
メーコばあばが横浜に住んでいる事。
夏祭りを楽しみにしている事。
プリキュアの歌が歌える事。
水色と紫と黄色とオレンジが好きな事。
お腹が冷えてちょっと痛い事。
帰ったらモスバーガーが食べたい事。
でもおやつにパンを食べたので、晩ご飯もパンにしたら駄目だと思ってる事。
家が田無にある事。
田無のレンタルビデオ屋さんで、プリキュアとトトロを借りたい事。
今度の水曜日から、ママが太極拳を始める事。

延々と、こんこんと喋り続けるルウ。
「はあ〜」とため息交じりにルウの話を聞き流していると「ちゃんと話を聞いてるの⁈」と言われ、「聞いてるよ」と答えたら、「じゃあ、ルウが今言った事、始めから言ってみて!」って………。
適当に覚えてる部分だけを復唱すると、「ほーらちゃんと聞いてない!」と怒られてしまった。

やっと新宿に到着して、席を立つ時に、ルウに
「少し大きな声でいいから『お騒がせしました』って言ってごらん」と言うと、
「おさがわせ……おがさわせ……おさわがせ、ましましたっ!」と呪文のような言葉を叫び、クスリと笑いを頂戴して、私たちは電車を降りた。
これでなんとか堪忍して下さい。

居合わせたみなさん、本当にお騒がせましましたっ!(心からぺこり)

ソラのどこかで

もう三年も経っちゃったね。
実家に帰っても、父がいないのが当たり前になってるし、お花を供えたり写真に話しかけたりするのが普通になっている。

でも不思議なことに、三年前よりとても身近に、父の存在を感じることがあるんだ。

忘れてしまう思い出もあるけれど、何かの折に、ふと甦る父の言葉。父の仕草。
ちゃんと残して行ってくれたんだ、と思う。
上手く言えないけど、
今、見守ってくれてるなと感じるのは、生前……私が生まれてから大人になるまでの間、私の父として存在していてくれたからなんだと思う。


前を歩く他所のおじいちゃんが、お父さんに見える事がある。
そのおじいちゃんと、お父さんが何処か空の彼方で繋がってたらいいな、と思う。
声をかけたら通じるような気がする。

ありがとうって言いたい。