ヤバい客 （虎之助の心臓つづき）

さて、ハードディスクを取り出した虎之助ですが、今度は「ハードディスクケース」と言うものを買ってこなければなりません。

先日、チャーリーがパソコン館で色々と聞いてきてくれて、ハードディスクのサイズとか、コネクタの種類とか、そういったものが分からないとどれを買えばいいのか分からないということでした。
しかし、いくらハードディスクを眺めても、サイズも書いてなければコネクタの名前も書いていません。
仕方がないので、ハードディスクをパソコン館に持って行くことにしました。

ハードディスクケースは地下１階にありました。
さっそく店員さんを捕まえて、ハードディスクを見せ「これに合うハードディスクケースを下さい」とお願いしました。
すると、ハードディスクは3.5インチ。コネクタはSATAだということが分かりました。
これをハードディスクケースに入れて、USBでパソコンに繋ぎます。
ところが、USBにも2.0と3.0という速度の種類があって、接続するパソコンによって違うようなので、今度は１階のアップルコーナーに行って聞いてみることにしました。

私「すみませーん！
　先日、新しいMacを買ったのですが、古いMacのハードディスクを
　ハードディスクケースに入れて接続したいのですが、
　USBは3.0という物で大丈夫でしょうか？」

店員「………」

変な顔をする店員。
あれ？　なんか変なこと言ったかな？
もう一度始めから説明しようか。

私「古いMacが壊れてしまったので、データを取り出したいんですが、
　ハードディスクケースを見に地下へ行ったら、新しい方のMacが
　USB3.0か2.0か、確認してくださいと言われたのです。」

店員「……ハードディスクを取り出すんですか？　OSは何ですか？」

不審そうな店員。

私「OS 10.4でした。型が古くてもうアップルでは修理できないと言うので。
　でも、データがどうしても欲しくて…」

苦笑いの店員。

店員「ハードディスクを取り出すには…」

私「もう取り出したんです！」

問題はそこじゃナーイ!!

店員「えっ?!　もう取り出しちゃったんですか？　ええっとぉ…」

さらに苦笑いの店員。

店員「ハードディスク持ってきてます？」

私「はい。あります！」

店員「見ていいですか？」

私「はい。これです」

手作りのクッション付きの箱から取り出して見せると、

店員「あっ、これなら繋げそうですね！」

なぜかホッとした顔の店員。

店員「USBは3.0でも2.0でも大丈夫ですよ」

って、そんなに引っ張らなくても、すぐ回答できるじゃんかーいっ！

チャーリーにその話をすると、

「ヤバい客が来ちゃったよって思われたんじゃないの？
何にも分からないで、ケーブルをブチブチ抜いて持ってきたと思われたんじゃないの？」

ってニヤニヤ。
ハードディスクケース売り場へ戻って、仕様を確認してみると、どの箱にも「玄人向け」と書いてあった。
うーん、確かに。やってることと、質問の内容がそぐわなかったよな。

それにしてもハードディスクを見て「あっ、これなら繋げそう」って、あからさまな顔は失礼じゃないかーいっ！

つづく