ひよことおさんぽにでかけよう!

ルキ=私  ルウ=4歳の娘  チャーリー=旦那様  楽しく子育て奮闘中!

抵抗

つづき

さて先日、保育園の帰りに園庭の遊具に足を掛けたチビタン。
下校時に遊具で遊んではいけない事になっているので、注意したのだが、言うことを聞かずに登り始めた。
私が遊具からチビタンを引っ剥がし、抱きかかえて門を出ると、イヤだと言って泣き出した。
少し泣いた後、凄い大声で

  チ「ごめんなさい!」

と言うので、今日は早かったなと思ってチビタンを見ると、

  チ「ごめんなさい!言わないとママなんかだいっちらいだよ〜〜っだ!!」

……っえ〜? 私ですか??

  私「どうしてママが謝るの?」
  チ「登りたかったのに、おろしたから、ごめんなさいしないと、ママなんかだいっちらいだよ〜〜〜っだ!」

帰りの暗い園庭で遊ぶと怪我の元だから、遊んではいけないと言うのは、チビタンも知っているはずだ。

  私「怪我するかもしれないから、遊んじゃ駄目なのよ」
  チ「ママなんかだいっっちらい!」
  私「大っ嫌いでもいいです! ダメな物はダメなんです!」
  チ「ママなんか、もう一緒に帰ってあげないから!」

一緒に帰ってあげるとか、あげないとか、そんな事、私は言った事ないのに……いつ覚えたんでしょうね。
チビタンは涙をこぼしながら、怒って叫んでます。

  チ「もう、ママなんか一人なんだからねーっだ!」

一人でいられないのは、自分のくせに、可愛いもんです。

  チ「ママなんか、ぶっとばす!!」

………
………
………

さすがにこれはショックでした。
暴力的な言葉の威力にも。
人に向かって、ぶっとばすなんて言うんじゃありません!という怒りにも似た感情も。
そんな言葉いつ覚えたの!?という悲しみも。
ごちゃ混ぜになって、言葉を失いました。


  チ「ぶっとばすから! だいっちらいだから、ぶっとばしてやる!」

そんな言葉使うんじゃありません、って言わなきゃいけないと思いながら、なかなか言葉にならない私。

  チ「ママなんか遠くにぶっとばす!」

なおチビタンは続けます。

  チ「遠くには怖い魔女がいるんだから!」

その科白に、少し冷静を取り戻す私。

  チ「怖いんだから!」
  私「じゃあ、ママ、ぶっとばされて怖い魔女の所に行っちゃうね。
    チビタンは1人でなんでも頑張ってね」
  チ「……。怖い魔女の所に行ったら、魔女がガブッてするよ!
    痛いんだよぉ〜!」
  私「いいよ。」
  チ「そしたらママ、ご飯作れないよ! 痛くて!!」

思わず笑いそうになる私。
「ちょっと待て、何故、誰にご飯を作る必要がある?」と突っ込みたい衝動を抑えていると、

  チ「そしたら、もう…チビタンご飯食べられないんだからぁ〜〜〜!
    ウワァ〜〜ン!」

再び大泣きするチビタン。
勘弁してください!
ママは怒ってるんだから、笑わせないでください!


私はクルッと背を向けて、ごめんなさいを言うまで振り返らないつもりで歩き出した。
チビタンは泣きながらついて来る。
時々、目の端でチビタンを確認するけれど、謝る気配はなく、とうとう家まで帰って来てしまった。
でも、私の後ろを歩いて来る間、チビタンは自分なりに葛藤したり反省したりしていたらしく、神妙な顔をして私を見上げている。

  チ「ママ、さっち、ぶっとばすって言ってごめんなさい」
  私「どうしてぶっとばすなんて言ったの?」
  チ「だってね、登って上から見たかったの」
  私「チビタンがやりたかったのは分かるよ。でも帰りに園庭では遊ばない約束なの、知ってるでしょ?」
  チ「………」
  私「ママはチビタンが大好きなのに、ぶっとばすなんて言われたら、とても悲しい」

チビタンはわんわん泣いた。
そして、よほど悪いと思ったのか、寝るときも、翌日の朝も、次の帰り道も、思い出す度に、「ママ、ぶっとばすって言ってごめんなさい」と謝っていた。


覚えてしまった言葉は仕方ない。
口から出てしまった言葉は仕方ない、今は。
何がダメで何が良いのか、わかってもらいたいから………これからも、たくさん私がぶっ飛ばされる事があるだろう。
ぶっ飛ばされたら痛いんだよ、と伝え続けたい。

チビタンの抵抗を受け止めながら。