ゆりーと君がやってきた

保育園に迎えに行くと、ルウとルウの友だちに囲まれた。

　「今日ね、ゆりーと君が来たの！」
　「ゆりーと君は２才なんだって」
　「ゆりーと君にウチワもらったの！」

ゆりーと君……
どなたですか？

なんて質問をしてる間もないくらいにまくし立てるルウと友だち。

　「ホール（保育園の遊戯室）の天井がね、ゆりーと君の頭がね、こーんなに大っきいの！」
　「ゆりーと君は鳥だよ」
　「家のお風呂はね、小さい子どものがあって、階段みたいに座る所になってるの」
　「昨日、ハンバーグのお店に行ったらね、こんなおっきいハンバーグ２つも食べたんだよ！」

えーと……
ゆりーと君の話はどこへ行っちゃったんですか？

なんだかよく分からないまま、ゆりーと君とはさよなら。
子どもたちの話を聞く私。

そういえば、保育園の廊下に「保育園にゆりーと君がやって来る！」というポスターが貼ってあったっけ。
カモメのキャラクターの着ぐるみが写ってたっけなぁ。

保育園には、色々なキャラクターがやってきては、
食べ物のお話や、歯磨きのお話や、交通ルールのお話や、友だちと仲良くする話をやってくれるので、
ゆりーと君も何かのテーマに沿ったお話をしてくれたんだと思う。

帰り道、ルウに聞いてみた。

　私「ゆりーと君は何のお話をしてくれたの？」
　ル「ゆりーと君はしゃべらないの。」

あ、あるよね、身振り手振りだけのキャラ。

　私「じゃあ、誰かお姉さんと一緒だったの？】
　ル「うん。男の子と一緒にきた。」
　私「男の子は何の話をしてくれたの？」
　ル「帰る時に、ゆりーと君を叩いたり、蹴ったり引っ張ったりしないでくださいってお話。」

それは……本筋じゃないよね。

　私「ゆりーと君は何しに来たの？」
　ル「うーん……？　わからない。」
　私「え〜！お話聞いてなかったの？」
　ル「聞いてたよ。ゆりーと君体操もしたよ。ゆりーと君が手を広げると、男の子の頭にぶつかって面白かったよ。」

そこも本筋じゃないんじゃないかな？
ゆりーと君はどういう物か、さっぱりわからない私。

　私「じゃあ、ゆりーと君はどこから来たの？」

警察とか、病院とか、東京湾とか何かヒントをくれ！と願う私。

　ル「うーんとね。あ、ホールのドアからきたよ！」

………違いない。

後で調べると、ゆりーと君とは「スポーツ祭東京2013」のマスコットでした。
特に道徳じみたお話も、生活習慣的なお話もなく、体操して帰って行ったのは本当のようです。
納得。