ひよことおさんぽにでかけよう!

ルキ=私  ルウ=4歳の娘  チャーリー=旦那様  楽しく子育て奮闘中!

父の思い出 1

キャッチボールした事、倒立を教えてもらった事、将棋やオセロを教えてもらった事…
父の思い出は色々あるけれど、中でも大事な思い出は、ジェットコースターに一緒に乗った事と、宇宙の話で盛り上がった事。

初めてジェットコースターに乗ったのは、私が小学校1年か2年の時。
当時は今の絶叫マシンみたいに、回転したり直滑降したり、むちゃくちゃに振り回されたりなんていうマシンではなかったけれど、日本一長いジェットコースターという宣伝文句のジャイアントコースターだった。
人気のアトラクションだったので、炎天下を父と一緒に1時間以上待って乗ったと思う。
体の弱い両親が、お盆休みの混雑する暑い遊園地へ毎年連れて行ってくれた事も、よくやってくれたなぁと思うけれど、1時間も日陰のない行列に並んでくれたのにもびっくりする。
ジリジリと陽に焼かれながら、段々近付いてくる順番に緊張する私を励ましながら待ってくれたのを覚えている。
いよいよコースターに乗って、急降下前の登り坂では、バーを握りしめ、カチコチに固まっている私に話し掛けてくれた。
  「ほら、前を見てごらん。
   空が近いねぇ! 風が気持ちいいねぇ!
   あっお母さんが手を振ってるよ。オーイ!
   大丈夫。遠くを見てれば怖くないよ」
そんなふうに、あっちにこっちに気をそらせるように話していたと思う。

そして、急降下!
カーブ!
また登って、急降下!
カーブ!
上に下に振り回されて、あっという間に終わった初めてのジェットコースター。
降りたら私も父も膝が震えていた。

それから毎年、私はそのジャイアントコースターに乗った。
1時間、1人で行列に並んで。

父と一緒だったのは、初めての1回だけだった。
父も母も、照り返しの強いアスファルトのベンチで毎年待っていてくれた。



中学生の時、何がきっかけだったか、父と光速の話になった。
その頃私はSF漫画の影響で、宇宙について考えるのが好きだった。
家ではそんな話はしたことがなかったし、父も宇宙について考えるのが好きだと聞いた時はすごく嬉しかった。
自分が想像する宇宙像を話し合ったあと、父が相対性理論について説明してくれた。
とても面白かったので、後日、本を買った。
父の説明を聞いていたお陰で、最後まで楽しく読めた。
物理、科学も好きになった。

父とは、新聞やテレビで太陽系や銀河系の話題が出る度に話をして想像を膨らませた。
父の口癖は、
  「〇〇〇年も昔の光が今地球で見えるって言うんだから……
   宇宙の広さを想像すると…(首を振って)すげぇなぁ〜〜(ため息)」
だった。


〇〇〇光年先の星では、今でも父と母と小さい私が、炎天下の遊園地を歩いている姿が見えるのかも知れない。
〇〇〇光年先の星から、父が生まれた所も見えるかも知れない。


お父さん、お誕生日おめでとう!