ひよことおさんぽにでかけよう!

ルキ=私  ルウ=4歳の娘  チャーリー=旦那様  楽しく子育て奮闘中!

将棋

父との数少ない印象的な思い出は書き尽くしたと思っていたけれど、藤井四段の将棋の話題で思い出したことがある。

 

将棋が好きだった父は、新聞に載っている詰将棋の問題に、「ハア、ハア、ホオ!…っハアー!」と感心して唸りながら駒を打っていた。

私も低学年の時に、駒の動かし方や攻め方を教えてもらって、時々父と勝負した。

私はまったくセンスがなかったので、教えてもらった通りのことしかできず、計算も何もないデタラメでしか打てなかった。

それなのに、父は私の一指しごとに「うーん、これは…。……。……。どういう手だ?うーん……。……。……。こうして、ああして、こうなるから…。」と深く深く考える。

いやいや、何も考えてません!

と言うのも悔しいので、いかにも策があるような素振りで進めるのだが、頭空っぽで打っているわけで、結局は父に詰められて王手される。

 最後に「まだまだだな!」と言われていつも悔しい思いで終わる。

 

いつだったか、もう私が一人暮らしをしていた頃に、ガレージショップのようなところで、ファミコンと将棋のソフトを手に入れて、父にプレゼントしたことがある。

ソフトには名人棋士の名前がついていたけれど、機械vs人なので、機械の番になると間髪入れず駒を打たれるのが急かされるようで、あまりお気に召さなかったようだ。

 

それから、父の誕生日か何かに、詰将棋の問題集をプレゼントしたこともあった。

 

父が詰将棋のどんなところに魅力を感じるのか、私にもわかる。そして、あの感心した時の声「ハア、ハア、ホオ!…っハアー!」を思い出してはクスクスと笑ってしまう。

 

 

お父さん、お誕生日おめでとう!

父の影

父との新しい思い出が増えていかないことが、当たり前なことになって、寂しいとか悲しいとか、あまり感じなくなって。

でも忘れてしまっているかというと、その逆で、街に出た時に杖を持っているおじいちゃんを見たり、父みたいなぶっきら棒な掠れた声を聞いたりすると、ハッと見つめてしまう。

困ってることないかな、助けてあげられることないかな、って。

この人は幸せかな。…父は幸せだったかな。

この人は誰かと気持ちがつながってるかな。…父は私と気持ちがつながっていただろうか。

この人は娘がいるかな。…父は私が娘でどう思ってたんだろう。

 

結局のところ、私は父を安心させてあげたり、心を通わせて何かにウキウキしたり、感謝を込めてありがとうを伝えたりできなかったという思いがあるから、杖を持ったおじいちゃんが背中を丸めて歩いていたりするのを見ると、その背中にトンと手を置いて伝えたくなってしまう。

今、私たちがこうしていられるのは、あなたのおかげです。ありがとうって。

 

ルウはもうすぐ8歳になります。

お父さんが一人でセントラルに働きに出た時の私の年齢です。

その頃の私の思い出は、セントラルの油の匂いがするお父さんと、フォークリフトを運転するお父さんと、相模川です。

お父さんのその頃の記憶はなんだろう?

プレハブの階段の途中が侵食して抜けそうだから気をつけてと言う声が聞こえてきました。

 

まだお父さんの声は聞こえるよ。

 

お誕生日おめでとう!

じぃじの愛

今日、ルウとじぃじの話をしたよ。

あの頃はルウは一歳で、まだ簡単な単語しか喋れない赤ちゃんだったけど、大人の話しかけはちゃんと理解していて。
 
じぃじの家に行くと、なんでも興味を持ったものを手にして遊んでいたから、鉛筆や刃物なんかは高い所に置いていた。
それでもうっかりペンなんかを机に出しておくと、それを持って書く真似をするので、じぃじが「ルウ!だめっ!」って怒ってた。
 
赤ちゃんなんだから、もっと優しく言えばいいのに、「ルウ!だめ!だめっ!ルウ!」ってさ。
 
ルウが歯ブラシをくわえて歩いていると、「ルキ、やめさせろ、危ない!もっと注意しなきゃだめだっ!」って私も叱られた。
 
ルウは、じぃじの後ろに置いてあった引き出しの中にも興味があったのだけど、じぃじが恐くて近づけなくて、じぃじがトイレに立ったりすると、ニコニコ顔でじぃじの席に座って引き出しを開けていたよね。
じぃじが戻ってくる音がすると、ササッと逃げていたっけ。
 
「みんな叱らないから、僕が叱るんだ」って、それがじぃじの孫自慢。
 
バイバイの時、腕を上げて手首をくるりと返す、それがじぃじの挨拶。
家では、由羽は手首をくるりとして、「このじぃじがね」と説明してくれることもしばしばあった。
今、由羽はじぃじの記憶がないと言うけれど、頭の奥にひそかに隠れていると思う。
 
小学一年生のルウを見て、じぃじはなんて言うだろう。
躾が甘いって、また私が叱られそうだね。
それとも、ルウの健やかな成長を喜んでくれるかな。
 
お父さん、お誕生日おめでとう。
 

ぎゅーして

近頃、前ぶれ無しに泣き出すことが何回かあって、理由を聞いても「言いたくない」って。
どうも怖い事を想像しちゃって泣いてるらしいのですが、なかなか話してくれないのが心配。

一度だけ理由が聞けたのは、
「例えば、ママが死んじゃったらどうしようと思ったの」

ルウをおいて死ぬわけないでしょ!
大事なルウをおいて、ママがいなくなるわけがないじゃない!

って、ぎゅーってしたのだけれど。
その後も、何回か突然泣き出すのですよ。
そして怖いから話したくないって。

私にも覚えがあるから、きっと成長の一過程なのだと思うけれど、その他にも、今まで一人で出来てたことが、出来ないと言って甘えたり、帰ってきて何度も「ぎゅーして!」って言ってくるのは、何かのSOSかも知れない。

春から一年生になるというプレッシャー、もっと自立しなさいってプレッシャーを、私がかけ過ぎてるのかも。
もう6歳なのか、まだ6歳なのか、突き放すところと、甘えさせるところの線引きが益々難しい今日この頃です。

時を越えて

父が、デイサービスのお祭りで、ルウの為にもらって来た景品が出てきた。
水鉄砲としゃぼん玉。
まだ2歳前のルウには早かったので、そのまま仕舞っておいたのだった。

時を越えてじぃじからのプレゼント。
じーんと胸が熱くなった。

じぃじ、米寿だね。
長生きしてほしかったよ。

お誕生日おめでとう。

きりんになったよ

年長のきりん組になったルウ。
今日の入園式では、幼児組全員で歌を歌った後に、年長さんとしての挨拶があるんだと言って、張り切って出かけて行きました。

早いものだなぁ。
今の保育園を選んだのは、ルウがまだ4ヶ月で、やっと何かに寄っかからせて座ることが出来るようになった頃。
ルウを抱っこして、5件の保育園を見学しに行き、一番気に入った園だった。
隣には大学の農学部の演習場があって、自然に溢れていて、先生方は穏やかで伸び伸びしていて、建て替えられたばかりの建物は明るくて風通しが良くて、とても魅力的な保育園だと思った。
保育園へ続く細い私道の脇にはたくさんの桜が並んでいて、季節を感じながらルウと手をつないで通うのを夢見ていた。

入園した時には8ヶ月だったルウは、他の赤ちゃんと比べてもひどい人見知りで、毎日私が迎えに行くまで泣いていた。
給食も食べないので、気分を替えてウッドテラスで食べさせてもらったり、抱っこして食べさせてもらったり。
やっと少し慣れてきた6月、初めて参観に行くと、私にしがみつきっぱなしで遊ぼうとせず、翌日にはまた大泣きが始まり、本当にどうなることかと思った。
朝のお別れの大泣きはその後4年も続いたほど、甘ったれなルウ。

そのルウが、もう年長のきりんさんなんて。

今では大好きなお友だちができて、お迎えに行くと「あー、もう来ちゃった」とガッカリな様子。
毎日、何かしらの行事や役割分担のお当番を楽しみにしていて「早く明日にならないかなぁ!」「あー!来週楽しみ‼︎」とニコニコ。

きりん組には、特別なイベントや発表、責任のある役割がいっぱいなので、ますます成長を感じる場面が沢山出てくるでしょう。

新調した大きめのリュックを背負って、「いってきまーす!」と出て行ったルウ。
そのリュックが小さくなるのもあっという間でしょうね。

意外な一面

うちの娘ルウが人見知りが激しく、臆病であるということは、私の周りでは周知の事実。
チャーリーとルキの娘なのに⁈とみんなが思っていることだろう。
ところが……


先日、保育園の友だちに、地域のお祭りに誘われて行った時のこと。
焼きそばや焼き鳥などの屋台の中に、紙芝居のコーナーが設けられていて、おばさんが色々な紙芝居を積んで座っていた。


ルウが「紙芝居が見たい」と言うので、「何時からやるのか聞いてきたら?」とダメ元で言ってみた。
すると、ピューッと走って行って、紙芝居のおばさんと何か話している。もちろん知らない人だ。


内心驚きながらも、知らん顔して待っていると、ルウが戻って来て「何時からってわけじゃなくて、人が集まったらやるんだって」と報告してくれた。


ちゃんと質問できたの⁈
ちゃんと会話してきたの⁈
びっくりだけど嬉しいわ。


でもまた素知らぬ振りで「じゃあ、お友だちみんな誘っておいでよ」と言うと、またピューッと走って行って、会場に来ていた5〜6人の友だちに声を掛けて、みんなを連れて戻ってきた。


そして姐御のように、みんなに靴を脱いで座るように促し、好きな紙芝居を選んで、自分はど真ん中にでんと座った。


アナタのそんな姿見たことないよー‼︎
アナタ、結構貫禄あるのね。



そして目を丸くした次の日、保育園で帰りが一緒になった男の子たち3人とはしゃいでいたルウが言った一言にまた度肝を抜かれた。


「男ども、ついて来い‼︎」
わらわらとルウについて走っていく“男ども”



ひょえー!
母ちゃん、腰抜かしちゃったよ。


目醒めの時は近いのか⁉︎